口説いてんの?
留美が、ジュースが欲しい、と言ったので
注文することになり
薫子がテーブルにあるお皿を重ねていると
「気が利くねぇ、留美も見習えよ」
「は~い。
そう言えば、薫さんだけ言ってないです」
「何を?」
「初体験は何歳か?」
薫子が回想に包まれていた時
三人は初体験の話をしていたらしい。
「そうだよ!俺も訊いたことないなぁ」
俊也が追い討ちをかけたので
薫子は冷や汗が出てきた。
三人の目は薫子の口元を見ている。
「実は・・・未経験で~す!」
薫子はふざけた口調で言った。
「そんな冗談、面白くねぇ」
俊也が履き捨てた。
「ホントですよ~!
あたしでも通用しないですよ~?!」
「アハハ!やっぱり~?高1だよ」
嘘をつくと後ろめたさで
語尾は小さくなってしまう。