口説いてんの?
みんな一緒じゃん、と
俊也と留美が口を揃えた。
薫子は、それ以上追及されなかったので
ほっとしていた。
四人の中で私だけかぁ。
そうだよねぇ
最近では中学でも珍しくないみたいだし
もう少し焦った方が良いのかなぁ。
だけど、俊也や友達と遊んでる方が
楽しいんだよねぇ。
私の趣味を理解してくれる人も
あまりいないと思うし。
「おい!
何さっきから一人の世界作ってんだよ?」
俊也は口を尖らせ
眉間にシワを寄せていた。
「ごめん、なんの話?」
「帰るんだ」
「あ、うん、ごめんね」
薫子は、二人にも謝り苦笑いをした。
「二人とも車で送ってやるから」
『は~い。すいません』
俊也が会計をして、四人は店を出た。