口説いてんの?
ハート 3
春休み最後の日曜日に歓送迎会を開いて
二次会のカラオケには6人が来ていた。
薫子達と、パートで主婦の30代二人。
凪斗の両隣にその二人が座っていた。
年上女恐怖症の凪斗は
赤くなったり青くなったり・・・
恵理子さんとデュエットすると
手を握られて歌えなくなってしまった。
「凪斗ー!恵理子さんは主婦だぞ。
それでも駄目なのかぁ?」
俊也が言うと、恵理子さんが訊き返した。
「何が駄目なの?」
「宇佐見君、年上の女の人が苦手で
あたし達とは普通に喋れるんですけど」
留美の答えに、恵理子さんは大きな声で
可愛い~!と言って凪斗に抱きついた。
頬と頬がくっついたので
彼は固まってしまった。