口説いてんの?

俊也が凪斗を起こしても目を覚まさない。

薫子と二人で抱えタクシーに乗せ

俊也の家に連れて帰り

薫子は留美達とタクシーに乗り込んだ。

「宇佐見君、大丈夫かなぁ?」

恵理子さんの問いに亜紀さんが答えた。

「今度会った時に、ちゃんと謝りなさいよ!

 いくら旦那が相手してくれないと言っても

 あんな事して・・・もう馬鹿なんだからぁ」

「分かったわよ!ちゃんと謝るから」

「宇佐見君、覚えてないと思いますよ。

 少しならお酒飲めるって言ってたけど

 あれだけ一気飲みしたら

 誰だって酔っちゃいますよね~?

 だから~何も言わない方が良いと

 思いますけど~?」

留美は、宇佐見君が覚えてないことを

願っていた。

覚えてないことを、恵理子さんに言われると

戸惑ってしまうからだろう。

「そうよね、お酒の席のことだから

 何もなかったという事にしましょ?」

亜紀さんの言葉にみんな頷いていた。


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