口説いてんの?
凪斗と恵理子さんは入れ違いになるので
一緒に仕事をするのは、10分くらいだ。
まぁ、その10分が楽しみだと言われれば
希望を聴かない訳にもいかない。
それより留美と付き合ってると
言った方が良かったのかもしれない。
だけど、留美はもうすぐ辞めてしまうので
それまで揉めて欲しくないと思った。
その日の夕方
留美が満面の笑みで現れた。
「良い事でもあったぁ?」
「分かりますぅ~?」
いつもより声が高くなっていて
聞いて欲しくて堪らない様子だった。
だけど、忙しくてゆっくり話を聞いている
暇がないので、仕事が終わってご飯でも、と
誘ってきた。
でも、恵理子さんの事もあったので
まともに顔を見て話を聞く余裕はない。