口説いてんの?
四人で麻雀をするのは二回目。
一回目は店が終わってから集ったけど
今日は、薫子は化粧もしてないし
家着に近い格好で
昼間からビールを飲んでいる。
「凪斗見てみろ、女じゃないだろ?
まるでおっさんだあ!
年上女も家ではこんなもんだ!」
「はぁ・・・」
「酷いよねぇ、おっさんじゃなくて
せめておばちゃんにしてよぉ!」
薫子は唇を尖らせ、俊也を横目で見た。
「薫さんって、やっぱり面白いわぁ」
真太郎が笑うと、凪斗も表情を和らげた。
「おばちゃんだと思えば
苦手意識もなくなりますね」
「そうそう、そうやって慣れていけばさぁ」
「宇佐見君におばちゃんって言われたぁ
ちょっと凹んでもいい?ウッ・・・」
薫子が顔を手で押えると
真太郎が自分の帽子を被せてくれた。