口説いてんの?

もう、麻雀どころではない。

俊也は、ベットに身体を投げ出し

みんなに背中を向けていた。

真太郎は床に横になって

みんな沈黙を我慢していた。

暫くして、携帯が鳴ったので

俊也は部屋を出て行った。

「宇佐見君、留美のこと?」

薫子が顔を向けると凪斗はゆっくりと

口を開いた。

「ちゃんと話します。

 傷付けたことも謝ります。

 でも、好きになれるかぁと

 思ってたのも本当です。良い子だから」

「私は、好きでもない人と

 そうなった事はないから

 良く分からないけど・・・少なくとも

 留美は後悔してないと思うよ。

 嬉しそうに話してくれたから

 宇佐見君とそうなった事」

彼はハッとして薫子に顔を向けた。


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