口説いてんの?
「つきなみな言い方だけど
努力して好きになる訳じゃないでしょ?
気が付いたら好きになってるものでしょ?
もう少し、よく考えてみたら
宇佐見君が気付いてないだけかも
しれないし・・・
恵理子さんのことは俊也に任せよう。
まさか、一回りも年下の子に本気な訳も
ないだろうし、宇佐見君が断らないから
調子に乗せちゃった部分もあるだろうしね」
「はい、すいません」
「だから、早く相談しろって言ったじゃん!
俺らより人生経験豊富なんだから
適切なアドバイスをくれただろ?!」
真太郎も相談に乗っていて
苛立っていたのだろう
安心した顔をしていた。
そこへ俊也が戻り、ベッドに腰を下ろした。
「電話大丈夫?」
「あぁ、誰だと思う?」
「さぁ」
「恵理子さんだった」
偶然にしては出来すぎてると思い
薫子は息を飲んだ。