口説いてんの?

凪斗が制服に着替え、薫子に声をかけた。

「あの~、何をすれば良いですか?」

薫子は、留美(高2)にレジを頼み

凪斗を厨房へ連れて行った。

彼を怖がらせないように優しく尋ねた。

「宇佐見君は、パンを作るのとレジに立って

 お客さんの相手するのとどっちが良い?」

「あぁ・・・

 自分でも何が出来るか分からないです」

「だいぶ緊張してるねぇ?」

「あぁ・・・はい」

「誰も捕って食べたりしないから

 気楽にいこう!ハハ!」

「はい」

凪斗の緊張が解けそうにないので

薫子は、事務所に戻って

マニュアルを見せながら説明をした。

他愛のない話をすると

彼も薄い笑顔を見せてくれた。


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