口説いてんの?

俊也がそっと薫子の肩を抱き

心配そうに顔を覗き込んだ。

「ごめんな、俺、軽いな。

 薫子がそんなふうに思ってるとは

 知らなかったからさぁ」

「ううん。

 私も柄にもなく取り乱しちゃって

 でも、みんなの暴露話になちゃったね。

 まぁ、私は、何もないんだけど。エヘ!

 あぁ、もう、なんか、疲れたぁ!」

薫子は、ベットに身体を投げ出し

頭まで布団を被り

平常心を取り戻そうとした。

暫く沈黙が続いた後

真太郎が薫子の隣に横たわり

天井を見つめながら言った。

「薫さんって、俺達が思ってるより

 純粋なんだね。

 俺も、軽い事してたから反省した。

 俺、好きだなぁ・・・そういう薫さん」


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