『春・夏・秋・冬〜揺れる想い』
兄さん…
やっぱ俺たち双子なんだよな。
兄さんから毎日のように、春さんの話を聞いてて、初めて逢ったとは、思えなかったよ。
兄さんが一番好きだった、春さんの笑顔を俺も見てみたい。
兄さん…許してくれるかな?
冬が消えたあの日みたいに、白い粉雪がまた、いつのまにか、降りだしていた。
頬に触れては消え
頬に触れては消える…
雪はまるで、あの日と同じように、ただ、涙を濡らしていた。