煮干し女
二 居間で生きろ
そんなこんなで、ある日の午後。
あたしが実家に帰って居ていることをかぎつけた幼なじみの健ちゃんが遊びに来た。
もちろんあたしは、このまんま。
だって健ちゃんだし。
健ちゃんはビニール袋を持っているのか、ガサガサいいながらどかどか入ってくる。
「か~おり~!どこいんのー?」
「うっさいな~、畳の部屋!!」
━━━パシッ
健ちゃんが襖を開けて入って来た。
「うわっ!?おまえ、どぉーした?」
ジャージ上下でゴロゴロしながら雑誌を見るあたしを、驚いた顔で見る。