煮干し女
「…なによ?」
「いやさ、なんかお前、都会の女になってるって話聞いてたから…」
ムカッ…
「都会の女も、一皮剥けるとこんなもんなの。」
「へ~」
「で、何の用?」
冷たいなーなんて言いながら、健ちゃんはアタシの前に胡座をかく。
「香保里が腐ってるって、直子さんから聞いたから見舞いにきたの。」
はい。とアタシに袋の中のリポDを渡す。
直子さんとはアタシの母だ。
名前で呼ばれたほうが若くなる、と言って家族にも名前で呼ばせてる。