煮干し女


「…なによ?」

「いやさ、なんかお前、都会の女になってるって話聞いてたから…」


ムカッ…

「都会の女も、一皮剥けるとこんなもんなの。」

「へ~」

「で、何の用?」



冷たいなーなんて言いながら、健ちゃんはアタシの前に胡座をかく。


「香保里が腐ってるって、直子さんから聞いたから見舞いにきたの。」

はい。とアタシに袋の中のリポDを渡す。


直子さんとはアタシの母だ。
名前で呼ばれたほうが若くなる、と言って家族にも名前で呼ばせてる。




< 6 / 12 >

この作品をシェア

pagetop