銀白虎




…ああ、忘れていたよ。ここ数日、あなたとは関わらず平和な日常を過ごしていたから。

そのブラックな蓮見くんの存在も。



…さっきまで、「ああ、どうか目をお覚ましください…」とか言って王子様をやっていたのに。



この切り替えの早さはいったいなんなんだ…。




「全然暇じゃないんで。」


「お前、言うようになったじゃねぇか」



あなたこそ、いつもよりさらにブラックに磨きがかかった気がしますよ。


よく見るとどことなく、機嫌が悪そう。てか元気がないような。




「ったく、一日中王子やらされて…普段だけで懲り懲りだっつーの」



…ああ、なるほど。


それなら普段から王子をやらなきゃいいのに。





一体どうして、王子様なんかやってるんだろう…?






この人には、誰も寄せ付けない壁がある。





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