銀白虎
う〜ん。…あ。
あたしは自分のかばんをがさごそ漁り始める。
それを近くで見ていた蓮見くんには、「なにやってんだ?」と言われるが、
あたしはがさごそと、捜索を続ける。
「確かあった気が…」
「なにが」
「ん〜?えっとね……あ、あった。」
かばんの中から出て来たあたしの手には、飴玉がひとつ。
「はい。あげる」
蓮見くんのてのひらに置いてあげた。
すると蓮見くんは、とても不思議そうな顔をしながらその飴玉を見つめる。
「ひとつだけ残ってたからあげる。ミルク味、あたしが1番好きな味なの。
疲れてるときは、甘いものを食べるといいらしいから!」
そう付け足すと更に蓮見くんはぽかん…とする。