銀白虎




―――――…




「あ。」




「どうしたの結城さん?」


「いや、なんでもないっ」




放課後運悪く掃除当番に当たってしまったと思っていたけど。



思わぬものを見つけてしまった…。

なんだか想像出来なくて、笑いが込み上げてくる。




あたしのミルク味の飴玉。

牛の絵が書いてある袋。



ゴミ箱から、仲間ハズレになって落ちていた。





「…意外だなぁ」



蓮見くんは特別あたしに対してひどいのに。


それとも、精神的にも相当疲れていたのだろうか。

そうじゃなきゃ、こんなことしないだろう。


本当大丈夫か…と少し心配になる。




だけど…ちょっとだけ、嬉しくなった。



この飴玉を舐めている時のような、優しくて自然と笑顔になるよな感じ。



そんな、気持ち。




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