銀白虎
「…身分違いだなぁ」
ぽつりと、寂しそうに零す。
身分違い…ではないけどね。
でも、彼はいつもどこか遠くにいる。
昨日は少しだけ近く感じたけど…。
「今は運よく蓮見くんの近くにいれるけど、きっとこれで一生分の運を使い果たしちゃった気がするし…」
そんな大袈裟な、と口から出そうになっていたところに。
――文化祭が終わらなければいいのになぁ。
亜美の気持ち全てを表すような言葉が、覆いかぶさった。
ちく。
一瞬感じた、妙な違和感…。
気のせいだと思う。