銀白虎
「…結城さんも、衣装出来たみたいだからもうすぐ呼ばれると思うよ」
にこっ、と。
嘘スマイルを浮かべるその人。
「あ…うん」
陽の光りに当たる銀色の髪が。
さらさらと揺れる。
綺麗だ、と純粋に思う。
「見惚れんなよ」
低い声で、小さくあたしにだけ聞こえるように吐かれた言葉。
はっとして。
見たその笑顔は偉そうで…。
ああ、裏蓮見くんだ。と思った。
…いや、違う。
多分これが本当の彼の笑い方。
なんだか、昨日より元気になっている気がする。
気のせいかな…。
教室から消えていく、銀色を。
視界から消えるまで…ずっと見ていた。