銀白虎
美女と王子
蓮見くんのいうとおり、そのあとすぐに集められた。
衣装が出来たって…。
まだ下書き出してから1日しか経ってないのに。
恐るべし、と感心しながら衣装を受け取る。
…本当、下書き通りだ。
絵からぽんっと出て来たみたい。
とりあえず、神崎くんに渡してみた。
「…魔女だ…!」
うん、“魔女”の服を作ってもらったからね。
彼の天然さには、癒される。
母親の気分になるよ…。
すげーすげー!と言いながら、服を観察している。
無邪気で可愛いなぁ…。
着てみる!と結構ノリノリで、試着をし始めてくれた。
周りを見渡すと、どこもおんなじように試着大会。
魔女服には、帽子などのオプションがついている。
あたしはそれを抱えながら、着替え終わるのを待つ。
…ふぅ。
あたしは自分の手にあるものを、神崎くんがまだ気付いてないことに感謝した。