銀白虎




どうしたものか。

と、思っていたら……。




「み、た…?」

か細い声で、下から上目づかいになった目があたしを見る。


ちょっぴり、顔を覗かせて。




そのしぐさに、思わずキュン!となってしまった。

本人は自覚がないんだろうけど、その上目づかいが、なんとも言えなく萌える。


女子であるあたしより、確実に上目づかいの効果があるだろう。




「…結城?」


「え?」


呼ばれて、見惚れてしまっていたことに気付く。



「ああ…!えっと…ごめんね?一人で練習してたとこ邪魔しちゃって!」


「いや!べつにっ…それは…」



声がだんだん小さくなっていく。


? どうしたんだろう。


…と、思っていたら、急に。


「あぁぁぁあ!」


叫びだし、頭を抱えてしゃがみ込んだ。




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