銀白虎
でも。
いきなりあーっと唸り出し、ばっと顔をあげ、立ち上がったかと思うと…。
「…これから、頑張るから!……気持ちだけ、覚えといてっ」
そういうと、神崎くんはあたしの横を通りすぎて、空き教室を出ていってしまった。
―――……一人残された、あたしはというと。
どうしていいのかわからず、数分立ち尽くしていた。
正直……神崎くんを好き嫌いとか考えたことがなくて…。
戸惑っている、というのだろうか。
まだ、告白されたことが嘘みたいだ。
人としては、好きだけど…。
男としては……わからない。
そもそもあたしは、そういう好きには疎いと思う。
嬉しいか、といわれればよくわからない。