銀白虎




いいも、なにも。


最初から亜美が白雪姫なのだから。




「あんたは素直じゃない。だから、損するタイプだな」



「へ…?」


気付けば、ブラック蓮見の口調に戻っていた。



なによ、あんただって嘘つきじゃない!

そう言おうとしたのに…。



「だったら…いっそそのまま毒リンゴでも、食べちまえばいい」


「はあ?」



なんなのよ…。




最初から、最後まで。


彼はわけのわからない、言葉を放って、勝手に消えていった。




なんて勝手な、奴だろう。


言葉の意味さえ、教えてくれないなんて。



気になって、しかたなくなるじゃないか…。




素直じゃない。


知ってるよ。



だってあたしは、亜美みたいな可愛い女の子じゃないから…。









教室に戻ると、今までどこ行ってたの!?とお叱りを受けた。




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