銀白虎
いやいや、頑張ろう!
気合いを入れて顔をあげれば。
あたしと同じように集められた、神崎くんと目が合った。
う…!
さっきのことがあるからちょっと気まずい。でも目逸らすのもなー…。
神崎くんも、焦ったように妙な動きを仕出すし。わかりやすいなあ。
どうしたんだよ?と友人に聞かれているし。
くす、と思わず笑ってしまう。
ふと。もうひとつ感じる視線。
蓮見くんが、呆れたようにじっとあたしを見てくる。
なぜそんな目で見られなくてはならんのだ!謎の言葉を残していったくせに!
宿題です、自分で考えましょう。のつもりか!
あーだめだ。
蓮見くんの考えなんて、知ろうとしちゃいけない。
絶対、わかるわけないんだから。
なんだか居心地の悪さを感じながら、監督の熱い意気込みを右から左で聞いていた。