銀白虎
「図々しいかもしれないんだけどさ、ちょっとだけ蓮見くんを独占出来た気がするんだっ。
…でも今日終っちゃったらさ?もう、蓮見くんはみんなの王子様に戻っちゃうでしょ…?だからね…」
『今日終わったら、蓮見くんに好きって言おうと思うんだ!』
頬をぴんくに染めて、あたしに笑顔でそう語る亜美は、とっても可愛かった。
「そっか…頑張ってね!」
だから、本気でそう思うのに。応援したいのに。
ずきん、と。
この胸の痛みは何……?
亜美が、蓮見くんの裏を知らないから、かな?
表の蓮見くんを好きという亜美に、可哀相だと思ってるのかな?
わからない、けど。
あたしは弱いな、と唐突もなくふと思った。