銀白虎
……これは少し意外だった。
彼なら、本当にするかと思ったのに。
もしかして、亜美がやっかまれないように…って思ったのかな?
いや、あいつに限ってそれはないか。
でも、もし、そうなら………。
これからしようとしている、亜美の告白成功率はぐんっと上がるだろう。
よかったね………。
「あのー」
「はぃ!?」
急に声を掛けられ、驚いて思わず声が上擦った。
振り返れば、見たこともない男の子。あたしよりも…年下そうだ。
なんだろう、と首を傾げた。
「あの…神崎翔、いますか?」
え…?
「あ、神崎くん?なら、あの中に…」
まだ、相変わらず男子に囲まれていた。ぐったりした様子にちょっと同情を覚える。