銀白虎




「こんな役…金輪際死んでもやらねぇ!」


服も今すぐにでも脱ぎたそうだったけど、それはさっきので学習したらしい。


…それにしても勿体ない。

せめて、一緒に写真取りたかったのになぁ。

あ、そうだ。

要くんに送ってもらおうかな。


そんな不謹慎なことを考えていれば、神崎兄弟は2人でなにやら会議をしている。


立場が逆転していることは置いといて、この兄弟、やっぱり仲がいいな。


「えっ!ほんとうに?」


こそこそ喋っていた彼らのうちの、要くんが声をあげる。


「お前声がでけぇよ!」

「だって、信じられなくて…」


と、あたしの方へ振り返る弟くん。


じっ、とあたしをみるだけ。

……なんだろう?


「…兄さん、どんまい。」

神崎くんの肩をぽん、と叩く。


「お前なぁ…!」



……………?

あたしにはまったくわからない。




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