銀白虎
Ⅶ
涙
「…おい、クラ。」
「はい、若!」
「……これは、一体どういうことだ?」
にっこり笑う顔が、余計に怖かった。
───
─────…
自分の家に当たり前に帰ってきた蓮見くん。
そこに、虎丸ちゃんを抱いたあたしがいたら、驚かないわけがない。
彼の場合、驚くというより、静かに怒っていたという方が正しいが。
とりあえず、蓮見くんの無言の拷問にあったクラさん?は、この事のなり行きをビビりながら説明した。
「…てなわけなんです、若…」
「…………クラ。」
「はい!」
「…お前、罰として1週間風呂、トイレ掃除とあいつ起こす係な。」
「…そ、そんなっ…若!!」
「…文句あんのか?」
無言の蓮見くんの笑顔には、かなりの迫力があると思う。