銀白虎
「…おい、お前ら」
低く唸るような声。
あんなに騒いでいた2人の声がぴたりと止む。
「命が惜しけりゃ、静かにしてろ」
「「……はい…!」」
あんなに騒いでいた2人が、ハモり、うそのように静かになる。
あたしまで、鳥肌が立った。
そして、鋭い瞳があたしに向いて。
「ここはお前みたいな奴がくる場所じゃねぇんだよ」
どうしてか、一瞬心臓が止まったような気がした。
鋭くて、冷徹で。何者も寄せ付けない雰囲気を纏う。
………本当は、この感じを知っていた気がする。
やっぱり、蓮見くんはその銀髪のような人だと思う。
ぽとっ…。
「な…、お前…」
え……?
あ、あたし………。
だけど、止まらない。
止まってくれないよ…。
涙が――――…。