銀白虎





はぁ…。

頭が、ズキズキする。


……久しぶりに、あの事を鮮明に思い出した。




「…………さ、ん…」


「起きたか」



はっと、顔を上げれば、蓮見くんがいた。



「…は、すみくん…」


「大丈夫か?」


「…あ、うん…大丈夫。

あの、迷惑かけてごめんなさい」


あたしは、小さく頭を下げた。




「…ああ、本当に迷惑だ。」


扉を閉め、ゆっくりと畳みに腰を降ろす。

それを辿っていたあたしは蓮見くんと目が合ったが、逸らされてしまった。


…本当に迷惑をかけたのだろう。




「…すいません…」



「……なぜ、泣いていた…?」



え……


真剣な瞳があたしを捕らえる。まるでライオンに狙われた鹿のよう。





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