銀白虎
「それは…、別になんでもない、です…」
こんな嘘に、納得する人なんていないだろう。
だけど蓮見くんは、聞いてきた割に、ふーんと言っただけだった。
それはそれでなんとなくもやもやするけど、言わなくて済むならそれで良かった。
「…なんか飲むか?」
「ううん、大丈夫」
しーんとなる部屋の中。
蓮見くんに看病?されているなんて、すごく不思議。
後で、巨額の賠償金を請求されそうだ。
…はっ!てゆか早いとこ帰った方がいいような。
蓮見くんはあたしを追い出したくて、仕方なかったのに、こんな形で居座ってしまっているのだから…。
きっと腹の中、相当煮えくり返っているに違いない!
「…あ、あたし!帰るます…!」
やばい、慌てすぎて噛んだ。