銀白虎
「やめとけ。そんなんで帰ったら事故るぞ」
冷静に返されると、余計に恥ずかしい。
なんであたしはこんな肝心なとこで噛んでしまったのだろう!
「いや!でももうすっかりぱっきり大丈夫なんで!!」
「…大丈夫じゃなさそうだな。ぱっきりなんて言葉は聞いたことがない」
ああ!だからあたしはどうしてこうも!!
「…すいません……」
「…休んでけ。どうせ寝不足かなんかだろ?
それに、もう夜も遅い。帰りはタケかクラに送らせる」
え?
周りをキョロキョロして、時計を探す。
見つけたやけに高い場所にある時計は、もうすぐ9時を指すところだった。