銀白虎
心の奥
あたしがそう聞くと、クラさんは一瞬目を見開いて驚いていた。
「…ご存知ねぇんですか?」
何を、だろうか?
とりあえず、はい…と頷いた。
「…そうなんすか…」
驚いたように、呟く。
なんでそんなに驚くのだろう?
「…お嬢さんは、白虎組というのをご存知ですか?」
白虎組…
どこかで、聞いたような…
だけど、頭を横に振った。
「…ここら一帯を仕切っているヤクザの組の名前です」
ヤ、クザ……?
「それが、俺たちっす。そして、若はここの…白虎組の、若頭です」
「…わか、がしら……?」
「…そうっす。けど、若頭といっても今はもう若のお父上、当主は裏方に回り、今は若に組を一任されています」
じゃあつまり、実質的にここを仕切っているのは蓮見くんってこと?