銀白虎
「…若の強さは、ハンパねぇです。父上様に似たんでしょう。俺は若ほど、次の当主にふさわしいお方は居ないと思います」
強く、はっきりとした声。
尊敬しているのだ、とすぐにわかった。
蓮見くん強いんだ…。
なんだかだんだん、不慣れな世界の話に、現実味がなくなってきた…。
「……だけど、若は、あの日から…お兄様が家出なさった日から、笑わなくなっちまいました…」
仮面を被る理由。
もっと、あるような気がする。
人とのかかわりを避けているとゆーか…。
若頭という地位の代わりに、笑顔を失ったんだね。
ねぇ、蓮見くん。
あなたはいつも、仮面の下で何を考えていたの?