銀白虎
ひとりぼっち
あれから蓮見くんが帰ってきたのは、1時間後だった。
11時30分を回っていた。
どういうわけか、蓮見くんが送ってくれるらしい。
あたしを待たせたのはその為だったのかな?
妙なとこ、紳士的。
「…思ったより遅くなって悪かったな。こんな時間になるとは思わなかった」
蓮見くんとは思えぬ発言に、ちょっとびくついた。
やっぱりなぜだか、そういうところは礼儀正しい。
外は暗く、家の明かりもついてるところはない。
電灯に照らされたところに、2人分の影が映っている。
「…あ、うん。別に大丈夫だよ」
「怒られたら彼氏役して一緒に謝ってやるから、安心しろ」
か、彼氏役…!?
それはぜひとも遠慮願いたい。