銀白虎
Ⅷ
可愛い女の子
きっともう、全部に諦めているんだ――…
ポンポン。
びくりと肩が上がり、後ろを恐る恐る振り返った。
「結城さん、ちょっといいかな?」
そう言って小首を傾げる仕草がかわいい。
亜美……ではなかった。
珍しすぎて、名前が一瞬わからなかった。
「…結城さん?」
「…えっ?あ、うん」
同じクラスの白石梨華だった。
白石さんがなんの用だろうか?
不思議に思いながらも、付いていった。
予想外に連れて来られたのは、屋上だった。
こんなとこに呼び出される心当たりは皆無だ。
一体なんなんだろう…。
「こんなとこについてきてもらっちゃってごめんね。だけど、どうしても聞きたいことがあって」
聞きたいこと…?