銀白虎
あたしも、そうだけどさ。
…あたしは、違う気がする。
どうして、こんな空しい気持ちになるのだろう。
「…結城?」
呼ばれて振りかえると、神崎くんだった。
「…神崎くん」
「どーしたんだよ?こんなとこで」
なんて説明しようか。まったくいい案が浮かばない。
どころかなんて…タイミングだろう。
…噂をすればなんとやら。
なんだか、気まずさを感じた。
こうやって喋るのも、なんだかんだ文化祭以来だし…。
「あのさぁ…」
「ん?」
困っていたら、神崎くんに呼び掛けられる。
「……違うと思うけど、一応、この送り主じゃ…ないよな?」
え?そう思って、神崎くんが手で持ち上げて見せているものを見つめた。