銀白虎
「はっ、完全タラシだろ、それ」
目の前に座っていた神崎くんが喋った。
神崎くんは、器用にシャーペンを回していた。
「何よ、また蓮見くんの文句つけるわけ!?」
「文句じゃねぇよ。ただの正論だしっ!」
バチバチ睨み合う2人。
もう、勝手にやっててくれ。
「あんたねぇ!飛鳥が神崎派だからっていい気になるんじゃないわよ!!飛鳥も絶対王子派になるんだから!!」
あ、亜美さーん!
何いいだすのさっ!!
あたしは神崎派に所属した覚えないって!
「結城はお前とは違って正常だから、そんなんなんねぇんだよっ!」
いやいや、だからその前にどこにも所属してないって!
勝手に話に持ち出され、板挟み状態なあたし。
もう、どうすればいいのさ!?
あたしの力じゃ止められそうもない…。
ギャーギャー言い合いする2人に、あたしはぐったりして来た…。
誰か、なんとかしてくれ!!
『2人とも、バーナー使ってるんだし危ないよ?』
……念が通じたっ!?
一瞬、本気で神崎派から王子派になろうと思った。