銀白虎




「先輩の名前、何ですか!?」


「えっ?ゆ、結城…」


「下は!?!?」


「あ、飛鳥です…っ」



勢いに圧されて、年下なのになぜか敬語を遣ってしまう。

だってなんか顔が怖いんだよ!さっきまで可愛かったのに、鬼気迫る般若みたいだったの…!




「ふんっ。

……成宮河南。覚えときなさいよ!」


びしっ、と指を指され。


ずかずかずか、バンッ!!



ひゅるるる~


なんだろう。例えるなら、嵐の後みたいな心境。




なりみやかなん。見た目だけじゃなくて、名前も可愛いなー。


けど、すごい濃い子だったなー…。


うん、すごい濃かった。





そんな彼女は、あたしが今来た場所、屋上へと消えていった。




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