銀白虎
「なぁ?」
「ん?」
バーナーの元栓を切っていたら、神崎くんが声を掛けてきた。
「さっき階段で滑ったんだろ?足、捻ったりとかしてないのか?」
ガラス玉のような瞳を、あたしに向ける。
「あ、足?なんともないよ」
「そっかぁ。良かった」
神崎くん、君、なにげにいいやつじゃない。
そう思いながら、ニコッと歯を出している神崎くんを眺める。
「今度そういうの頼まれた時は、遠慮なく俺に言えよ?手伝うからさ♪」
ちょっぴりドキッとした。
なんだろう…。
なんか、子犬みたい!!
いい子いい子って、撫でたい…。
やっぱり神崎くんはどうみても可愛い系だ。
「ありがとう♪」
「おう♪」
シャーペンをさらさらと書き進める神崎くんの髪は、柔らかなブラウン。
……似合ってるなあ。
ふと、思った。