銀白虎
……えっ…
『蓮見くん……好きな子がいるような気がする…』
亜美の、予想もしていなかった言葉に、ぽかんとしてしまった。
一瞬、自分の耳を疑ってしまった……。
蓮見くんに…好きな子……?
ズキズキズキ…
胸が、痛い。
…なんだか、胸の奥がざわざわして…。
ずしんと、鉛のようなものがのし掛かってくる。
「あたし今日、聞いたんだ。
蓮見くん、誰か好きな人いるの?って。…そしたらね、そんな資格がないって。
そんときね、笑ってたのになんだか悲しそうだったんだ……だからね、多分……」
亜美がそのあとも何か言っていた気がするけど…まったく頭に入ってこなかった。