銀白虎
「なんか……走ってく姿、別人に見えたんだ…。何て言うか、王子様じゃなくて…」
……蓮見くん!
全然駄目じゃん!!
いっつも完璧に隠してるのに、何やってんのっ!
………って、蓮見くんの心配なんてしちゃってる自分馬鹿じゃん!!
いいじゃん。あんな裏表王子の正体なんかバレても…。
けど…。
『……そうだな…』
あの顔が、頭から離れない……。
「…あたし、わかったかも……」
ん?何が…?
そう聞こうとした瞬間、聞こえた……。
「……蓮見くんの好きな人…」
チクッ…と。
また、痛む。