銀白虎





「なんか……走ってく姿、別人に見えたんだ…。何て言うか、王子様じゃなくて…」




……蓮見くん!

全然駄目じゃん!!





いっつも完璧に隠してるのに、何やってんのっ!




………って、蓮見くんの心配なんてしちゃってる自分馬鹿じゃん!!



いいじゃん。あんな裏表王子の正体なんかバレても…。




けど…。






『……そうだな…』




あの顔が、頭から離れない……。






「…あたし、わかったかも……」





ん?何が…?

そう聞こうとした瞬間、聞こえた……。





「……蓮見くんの好きな人…」





チクッ…と。


また、痛む。




< 244 / 589 >

この作品をシェア

pagetop