銀白虎
Ⅸ
ファンクラブ
……ああ、この状況。
前にも、あった気がする…。
「結城、飛鳥さん。
前に言ったこと、忘れてしまったかしら?」
そう言いながら、にっこりと笑うのは、
蓮見冬弥ファンクラブ会長の、麻野美和先輩。
相変わらず、お綺麗で……笑顔が恐いです…。
「…ええっと、その…」
「美和、やっぱりあの時にブラックリストに入れておくべきだったのよ」
副会長の玉置真紀先輩は、はあ…と哀愁漂う溜め息をつく。
「…そうね。でもまずは真偽を確かめなくては」
「そうよ、それが先決だわ」
この学校で1番美人だと言われてる、書記の野々村愛果先輩が言う。
「……結城飛鳥さん。」
「は、はいっ…」
「あなたと、王子が昨日、放課後2人で裏門へ行く姿を目撃した、という人がいるんだけど」