銀白虎




そして副会長さんが手帳らしきものから出して来たものを、会長さんに渡し……。


それをペラッと、あたしに差し出した。




「…これでも、言い訳なさるおつもりかしら?」


な…なんで……



それは長方形の紙―――写真で。



そこには裏門へ行く道の途中のあたしたちで…。

小さいながら、顔がはっきりとわかった。




誰がこんな写真を……?




きっと、ファンクラブの人だろう。




だけど、背筋に…悪寒が走った。



「…これを見ても、まだ何か言い訳なさるおつもり?」



………ぐっ、唇を噛み締めた。



前に、こんなことがあった時、助けてくれたのは……蓮見くんだった。


あの時は、貸しひとつを作ってしまい、とても不快なものだったけど…。



今思うと、すごくありがたい助け船だったのだと気づく。








……今日は、助けてはくれないだろう。





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