銀白虎
「王子は皆のものなの。だから…あなたみたいな人がいると困るのよ」
なんだそれ……。
王子は皆のもの……?
なんて勝手な…。
これじゃ、蓮見くんが女嫌いなのもわからなくないな。
ただの、身勝手な独占欲じゃない。
そうやって、特別な人を作らせないんでしょう?
そうすれば、自分が安心だから。
「…ひとつ、聞いてもいいですか?」
「…なにかしら?」
「先輩方は……蓮見くんの何処が好きなんですか?」
「そんなの決まってるじゃない!すべて完璧なところよ」
それは、本当じゃないのに……。
ねぇ、完璧ってなに………?
「…蓮見くんは、そんな人じゃないと思います」
あたしがそういうと、先輩は今まで貼り付けていた笑顔を崩し、口角を歪ませた。