銀白虎
ファンクラブなんて、ただ理想を押し付けているだけじゃない……。
今日のあたしはちょっと強気だ。
なんかわかんないけど、今ならこの人達に向かっていける気がする。
「…先輩達は、どうしたいんですか?」
あたしがそう聞くと、は?と言う顔になった。
「好きなら、真っ正面からぶつかってった方が正攻法だと思いますけど…。」
すると、蓮見くんに告白してフラれたらしい野々村愛梨先輩は、ぐっと傷ついた顔をした。
「…もしそれで、駄目だったとしても、他の子を排除していい理由にはならないと思います。
それはファンクラブとしてじゃなくて、ただの嫉妬です」
「…あんたに何がわかんのよ!?」
愛梨先輩が目いっぱいに涙を溜めているのが見えた。
張り手が来るとわかっていたけど、それもしょうがない…と諦めて目を瞑った。