銀白虎
「…はぁ、たくっあの人人間じゃねぇなぁ…」
屋上にたどり着き、神崎くんが第一声に吐いた言葉に、あたしは内心激しく同感した。
「……にしても、結城も命知らずなことするよなぁ」
あはは、と笑われたが、
それは神崎くんの方だろうよと思った。
「あの人有名だぞ?なんでもあの人にターゲットにされた人はみんな居なくなるとかならないとか…」
い、居なくなるぅぅ?
居なくなるって……ここからってこと?
つまり、転校させられるってこと?
「…う、うそぉ」
「いや、結構ほんとっぽいぜ?」
………ああ、悪夢だ。
あたしは本当に、なってことをしてしまったんだ……。
ぺたんと、地べたに座り込む。