銀白虎




「なによ隠さなくたっていいじゃない………あ!もしかして神崎先輩!?キィーッ!!やっぱり嫌いだわあんた!!」


「いやいやいやいやいや!ち、違います…!」



「…ふん。ならいいわ」



こ、怖いこの子…



「…けどあんた、なんか諦めようとしてるみたい…」



へ……




「…ほんとは、気づいてたんじゃないの?」




ホントハキヅイテタンジャナイノ―――――?





「…な、なんでそんな顔すんのよ!?」


「…へっ?」


「…ああ、もうっ!あたしが悪いみたいじゃないっ」


彼女はテンパっていて、どうしたらいいかわからないようだ。



あたし……今どんな顔してるの?



「…ねぇ、今あたし…どんな顔してるのかな…?」



あたしが聞くと、一瞬驚いた顔をして…でも。





「…今にも泣きそうな顔。」










どくん、と。



なぜか、胸騒ぎがした……。





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