銀白虎
ああ、鮮明に覚えてる。
自分の耳を疑いたくなるような、事実に…。
耳をふさぎ、目を閉じ、
信じるもんか!と思った……。
呆気なく、真っ暗闇へと堕ちていった―――…
「…うそ、だ……」
目の奥の方に焼き付いて、離れない…。
「……どう、して………」
無力だった自分が、情けなく、悔しくてたまらなかった…。
「……行かないで……っ……」
あたしを、独りにしないで……。
「…おい」
「え……!?」
突然の、声。
振り向いた瞬間、心臓が止まるかと思った……。
「…んだよ…」
な、んで……
「…な、どう」
「やめろ、それ」
え?って思った、つかの間…。
あたしは……
何が起こったんだか、信じられなかった――。