銀白虎




一体、どうして…?



記憶を探ってみれば、気を失う前……誰かに呼ばれたような…。



その後、一体自分に何があったんだろうか……。




だめだ…。頭がズキズキするし、だるい。考えることさえ、億劫になってしまう……。








あたしは、なんでこんなことに……。



誰かに誘拐されるようなことをした覚えはない。


思い当たることがない。




無意味に、周りを見回してみる…。


とりあえず、ここはどこかの倉庫らしい…。






カツ、



ビクッと、体が震えた。






カツ、カツ、カツ、と


どんどん近づいてくる足音…………。








「お、お目覚めかな?……お姫さま。」





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