銀白虎
なにか、嫌な予感がする…。
この人の目は危ない。…イカれてる。
一般人の瞳ではない…。例えるならそう、
――――――…殺人者の目。
鼓動が、いつもより、急速に速くなって…。
怖い………
誰か…………!!
―――…こんなときに皮肉にも、あたしは銀色の髪の君を想い浮かべてる。
そんな自分が、情けない…。
「……あた、しは、関係ない…」
その言葉を、絞り出すのが精一杯だった。
現実逃避をして、己を正常に保とうとしていたのかもしれない…。―――…予感は、あった。
「……いや、大有りだよ。唯一の、“弱味”さ」
唯一の、弱味………?
「…へ~、これが銀白虎の女かァ」
心臓が、ヒヤッとした…。